今日は、160kmほど走ったところにある、オールドドンゴラを見学する。
これは、ガソリンスタンドに寄った時のもの。なんでも再生利用するんだ!
どこまでもまっすぐな何もない軍用道路を走っていると、なんとなく雰囲気が違う一行にすれ違う。
真っ白な民族衣装を見て明らかに労働者とは違う。
トラックの荷台に立って乗っている。
「なんだろうねえ?」とこのときは、のんきな会話・・・。
ドンゴラは、ナイル川に近い場所にあるが、川岸まで砂地が迫っている。
4世紀にクシュ王国が滅亡した後に興ったマクリア王国時代の教会や聖堂跡やその後イスラム時代の聖者の廟などがある。
とても不思議な雰囲気の場所である。
5台の車は列をなして進んで行く。
教会だったというまるで要塞のような建物の前で、ストップした。
なんだか様子が変だ。2号車などは、とっくに山のてっぺんまで登ってしまっているのに・・・・。
降りようとドアに手をかけたら、添乗員が制止する。
「おりないで!!そのまま。おりないでください」
良く見れば、軍人が何人か鉄砲を持って立っているではないか!
どさくさで兵隊撮ってしまいました。
添乗員の顔も強張っている。
「これは大変。何事か」
5台の車は、Uターンしてナツメヤシの林の中をひたすら走る。
走るというより逃げるという感じ。
その間何が起こったのか一切説明なし。
すれ違う車は、警察官の乗ったものや、民族衣装の老人。
でもそのうち、なんとなくこれは非常事態ではないなという気がしてきた。
添乗員は、ちょっと暗い。そしてしゃべる時も弾んだようにしゃべらないので、ことが深刻に伝わってしまうのだ。
走ること1時間ほどで、奇麗な民家のそばで停まった。
ここでやっと説明がありました。
「実は今日、ナイル川に架かる橋の竣工記念ということで、大統領が急にやって来ることになった。大統領自体は、ヘリでやってきてすぐに帰るらしいのですが、近隣からも大勢の人が集められて、式典が行われます。それが終わるまでは、誰も近づけないのです。それで先にここで昼食をいただきます。彼らが帰ったら見学に向かいます」
「ここは、典型的なこの地方の民家です。この家の居間を借りて食事をします」
みななんだか気が抜けてしまいました。そんなことか、だったら逃げる前に行ってくれればこんな不安な気持ちにならずに済んだのに・・・。
「添乗員さんの顔見たら、何事かと思うわよネエ」「そうそう、強張っていたもん」などと、言いあったのでした!
真っ白な壁はまぶしい。砂地で色の無い世界からやって来ると一層際立つ。
ここに住んでいるのは、3世代のようだ。
グランマ
出発まで時間があるので、家の周りを一周してみた。近所の子供達があっという間に集まってくる。
彼らにとっては、われわれはいい余興なのだろう。
やっと、大統領一行が、帰ったようだ。
あらためて仕切り直しだ。
このあたりは、ナツメヤシの影を利用して、根元に豆を育てているという。「どんな?」「豆」
種類を聞きたがるのは、日本人特有?豆は豆ですって(笑)
ナイルのかなり彼方に橋が見える、あれが問題の橋かな・・・。
砂に埋もれている教会の柱。立った2世紀ほどしかさかえなかったマクリア王国。
教会を示す十字架が見て取れる
この建物は、もともとは教会だったものを、モスクに作り替えた。
モスクの裏手に回ると壮大な光景が広がっています。