アザーンの声で目が覚めた。これを聞くと、「ああ、旅に出ているんだなあ」と実感する。
今日からはしばらく地中海地方と別れて内陸部の乾燥地帯へと進んでいく。宿泊地のガダメスまでは、700kmの道のりだ。
何もないところを走っていくので、トイレのほうも青空となってしまう。
市街のはずれで犠牲祭の市に遭遇。イスラムにおいては、日本の正月のような感じだという。犠牲になるのは羊だ。各家庭で羊を屠るのだという。そのための市があちこちでたっている。16日なので後1週間ほどあるので、それまでに痩せてしまわないように飼っておくために、餌の干し草も売られている。
それにしても、男・男・男・・・。

途中、オリーブ畑が規則正しく広がっている風景が目に飛び込んできた。
がリヤンという町で下車。ベルベル人の穴式住居を拝見する。もっとも今は、すぐ上に新しい家を建ててそこに住んでいて、穴のほうは、観光客のために開放しているだけだ。

家畜も一緒に暮らしていた。明かりとりの中庭を取り囲むように各部屋が並んでいる。


ここの住人です。

土漠の中を走って次にバスが停まったのは、ナールートという町だ。ここで、カスルという食糧貯蔵庫を見学する。カスルといっても城のように見えるというだけのこと。周辺に住む人々が、食料を貯蔵するためにつくった円形の倉庫だ。
下層にはオリーブを、上層の階には穀物や種を保存していた。滑車で荷を揚げたり、溝に足をかけて登ったりしていた。



オリーブを絞った部屋も残されている。ウマやラクダが引いたという大きな石臼は、今はもう使われていない。

周りの風景は、こんな感じの乾いた大地が広がっている。

途中工事区間があったために到着が遅れてホテルに着いた頃にはすっかり暗くなっていた。
鍵を受け取り部屋にはいると、なんとダブルベットだ!
こういう経験は、今までにも何度かある。階下に降りて行き、換えてもらう。ところが部屋のせまいこと。2日間滞在予定なのに…荷物を置く場所もないありさまだ。
まあ仕方ないよね。お湯も出なかったけれど、これもよくある話だ。明日には好転していますように。