旧国鉄の中央西線多治見から高蔵寺の間に廃線となった線路がある。
そこには、レンガで造られた古いトンネルがある。
それらは、2008年から、有志により一般公開がされている。
以前からとても気になっていたので、今回歩いてみました。秋の紅葉の季節のほうが人気があるらしいがとても混雑するというので、新緑のこの時期にしました。
多治見・高蔵寺間の13基のトンネルは1966年に廃線となり、茂った藪の中に忘れ去られてしまっていた。
それが再び注目を浴びることになったのは、2005年、中央線の勝川駅の改修に伴い赤レンガのプラットフォームが撤去されることになったときだ。
せっかくあるものなので町おこしに再活用しようとイベントが行われた。これがきっかけとなりトンネル群にたどり着いたらしい。
そして、2007年、調査を開始して2008年に春と秋の一般公開までこぎつけたのだ。
今はとてもきれいに整備され、時にはコンサートなども行われている。
入り口で、100円の協力金を支払い階段を登り廃線路の敷地に足を入れる。
片道約1,7kmの距離で往復約2時間かかるという。足元は線路の敷石が敷いてありちょっと歩きづらい。
公開されているのは、3号から6号までのトンネルだ。
最初に通過するのは3号トンネルだ。全長約76m、少々小振りに見える。説明書を読むと、昭和になって大型のSLのD51が通過すると天井・側壁と数10センチの余裕しかなく壁に手が届いたとある。
側壁がイギリス積み、天井が長手積み工法で建設されている。

多治見川出口が見えてきた。左側の茶色の落石防護さくは、レールが使われていて、製造年月、メーカーの刻印が判明できる。

新緑の中でも目立つ山藤の花。清楚できれいだ。

これらは、廃線路の残存物である。碍子犬釘など、調査・整備中に発見したものが並べられていた。
どれも手に取るととても重い。

この日は、新しく整備された場所でコンサートが行われていました。

4号トンネルに着いた。強度を高めるためのアーチの追石は赤レンガの5重巻き、クラウン部分には要石が入っている。
入口のところには、廃線になってから生えてきた木が存在を主張しています。

長さ約75m、時々天井から水が落ちてきます。

カエデの新緑が目に飛び込んできてはっとする。きれい!

200本を超える廃線上のモミジの中でも群を抜いて巨大な三四五のオオモミジ。樹齢二〇〇年とあったから、廃線になる前~ここにあったのだろうか?じゃまにならなかったのか?

アケビの実は、知っているが花を見たのは初めてでした。

このあたりの渓谷は、玉野渓谷として昔はにぎわったそうです。今も面影は残っていますが・・・・。
SLが活躍していたころは、人々はお弁当などを持ってここに遊びに来たのだろうね。

有志の方々が掲げた看板。

トンネルも五号になりました。真ん中の丸いものはハチの巣です。今はもういないですが・・・。
長さ99m、トンネルのすぐ下には、旧玉野街道があるので帰路はこの道を歩いてきました。

レンガの積み方の展示もありました。イギリス・長手・フランス積みと表示があります。レンガの積み方に名前があるのを初めて知りました。

いよいよ公開されているトンネルの中では最後の六号までやってきました。トンネル群の中では最も距離が長い。