昨日、調子が悪かったマイクロバスは復活していた。
とはいってもエアコンの無いのは同じであるが、説明を聞けるのはうれしい。2台に別れると、添乗員の居ない車の説明はどうしても簡単になりがちだからだ。
今日の夕方には、2か国目のレユニオンへ向かうので、お昼ごはんまでは観光して、遅いお昼をホテルに戻っていただき、あらためて空港へ向かう。
まずオールド・スルタン・パレス にやって来た。コモロは、フランスの植民地となる以前から、アラブやペルシャ人がやって来て地域ごとに王国が築かれていた。イスラム教もその時から信仰される様になった。
ここにもそういった王国が有り、最後のスルタンがいた。王様は、マダガスカルに連れていかれたそうで、王宮のお墓には奥さんと子供のお墓が有りました。


近くにはモスクも有ります。もちろん当時の建物ではないですが・・・。

海を挟んで所のこの断崖には、悲しい話が残されている。女性奴隷の断崖と呼ばれ、貿易の中継地であったコモロにはたびたび海賊が出没し、女性を略奪しようとした。奴隷にされるくらいなら死んだ方が良いと若い女性達は、次々とここから身を投げたそうです。

王宮から車で少し走ると、聖なる湖が有る。生贄を捧げ願い事をするそうだ。海水です。

サギの木。噴火が有った当時は、鳥の姿がいっせいに消えたそうだ。今は、啼き声も聞こえるようになっていました。

島の重要な外貨産業であるイランイランのオイルの精油所に立ち寄る。世界の有名な香水の調合に使われてるそうだ。

完成品がこちら。お店が有るわけではなく、車の屋根の上で商売です。

イランイランの畑も行ってみました。

こちらは実かしら?

花を摘んで蒸留して抽出します。
こちらはカカオ。赤くなっています。

この後ひたすら坂道を登って行く。1977年に噴火した時の溶岩の流れた跡を見に行くのだ。
最高峰であるカルタラ山は、2361mの高さが有り、繰り返し噴火しているが登山して火口を見ることができるそうです。
資源の少ないコモロでは、火山石も重要な建築材料であちこちに集められていた。


モロニの町まで戻って来ました。
下校時なのか学生達の姿が多くみられた。

シーラカンスが展示されている博物館にやって来ました。日本の水族館でも展示されていますが、見つかったのは、コモロ・インドネシア・南アフリカ・タンザニアだけだ。
3億5000万年前と変わらぬ姿で生きているので「生きた化石」と言われている。深海を歩くように泳ぐと考えられており、大きなひれには骨と関節が有る。これは、魚類から両生類へ変化する過程ではないかとも・・・。
イカやサバが胃から発見されており、漂いながら近づいてくるものを食べているのではないかと想像される。



博物館には、歴史に関するものも展示されている。先ほど見学したオールド・スルタンパレスの主。

人や物の流れ。

モロニでも、渋滞は起こる。もっとも信号は2つしかないが・・・。

モロニの新港。

ホテルでお昼をいただき、少し休み、夕食用のお弁当を作ってもらって空港にむかう。
現地会社の社長は、荷物車で先行して待っているはずだ。
ところがマイクロバスは、何故かインターナショナルではなくて、ドメスティックに入った。「え!違うやろ。レユニオンは外国だもの」
到着した時が、ドメスティックだったので間違えたようだ。改めて、クルマを回す。
社長と別れ、大きなお弁当の袋を添乗員は代表してぶら下げてチェックインカウンターへと向かう。
窓口は2つしかないので、なかなか進まない。荷物も、ベルトコンベアが動いておらず、違う職員が、タグが貼られた段階で違うブースに人力で運んでいくといった感じ。
それでも何とかチケットを発見してもらい、出国のブースでチケットを見せチェックを入れてもらう。
出国にも指紋認証と顔の撮影が行われ、ようやく中に入ることができる。
さてセキュリティかなと思うと、もう一度、チケットとパスポートのチェックが入る。
そしてようやくセキュリティチェックが始まる。X線を通しているのに、全員が手荷物を開けさせられる。このチェックがまたいやらしいのだ。
ツアーの1人は、日本から持参したつまようじを全部取られた。
そして、これまでは大丈夫だったお弁当が引っ掛かった。水分は何もないのだが・・・。せっかく作ってくれたお弁当は、無残なほどぐちゃぐちゃにされてしまっていた。
先に通過していた添乗員さんは、そのグチャグチャになったお弁当の袋を手にし、怒りと情けなさで一杯といった表情で立っていた。
没収は、仕方がないかもしれない。けれども、目の前でグチャグチャにされるのは、作ってくれた方を想像してとても情けなく悲しくなってしまう。彼は、かなり食い下がってくれたのだが、全員分のお弁当は、彼の手の中で無残な姿になっていました。
ただ何故かバナナは、ここでなら食べてもいいという。移動して食べるのはNGらしい。
この件で、疲れがどっと出て来た。しかも、水分も無いのになかなか飛び立たない。お店は、キオスクみたいなところが一か所だけしかない。
ユーロが使えるか恐る恐る聞くと、使えるという。しかもお釣りもユーロでくれるという。
あー、助かった。やっと水が飲める。
ところが、キャップはくれませんでした。
時間になっても、ゲートは開かず。ようやく開いたとおもったら、タラップの前で、もう一度荷物チェックが入った。ところが、時間が進むにつれて暗くなってきてしまい、明かりも無いので最後の方は、スルーとなったようだ。
あー、もう一刻も早くここを出たい。
ところが、機内は、フランスそのもので、何だかもうレユニオンといった感じがする。
やっとご飯にありつけ、ワインをいただく。
レユニオンの空港に到着し、コモロとはあまりに違う綺麗さ、スムーズな手続きに心底ほっとしたのでした。
機内から見た県都サンドニの夜景。

コモロとは時差が1時間あるので、時計を進めます。エアの遅れと、時差のおかげで、ホテル到着は深夜になってしまったよ。
ホテルはきれいでうれしいな。